Webエンジニアの教えるドメイン名の決め方
投稿日: 2024/07/08
100均で買った猫と肉球のケーブルタイが可愛すぎて購入したyosiです。
これまでいくつかサイトを運営してきたなかで、ドメインを取得する機会が何度もあったわけですが、その時に考えていることを書こうと思います。
この記事で書いたことが正解というわけではなく、あくまで個人的にこう考えているという話になりますのでご了承ください。
そう考えている根拠はできるだけ丁寧に書くつもりです。
結論
- トップレベルドメインは.comか.netをできれば取得する。取得できなければ他のgTLDドメインを検討する。
- 各gTLDドメインにも運営元があり、そのリスクを一応考慮する。
- 国別コードトップレベルドメインは避けた方が良いと思うが、日本国内向けサイトであれば.jpは有用。
- 日本語ドメインを選ぶ理由はない。
- 取得料金ではなく更新料金を確認する。
おすすめしない選び方
ドメイン取得サイトでほしいドメイン名を検索して、サイトにおすすめされるがままにマイナーなトップレベルドメインのドメインを購入する。というのは避けた方が良いです。
トップレベルドメインの種類
まず、トップレベルドメイン(TLDs)はドメインにおいて.com, .net, .jp, .co.jp, .ioなどの部分のことです。
一般的なWebサイトを作る際に使用できるトップレベルドメインには以下の種類があります。
大別するとジェネリックトップレベルドメイン (gTLD)と国別コードトップレベルドメイン (ccTLD)があることを理解していただければいいです。
- ジェネリックトップレベルドメイン (gTLD)
- 有名どころでは1984年に決定された
.com / .net / .org
などや、2001年に実用化された.biz / .info
などがあります。これらはgTLDの中でスポンサーなしトップレベルドメイン(uTLD)に分類されます。 - TLDごとに特定コミュニティのスポンサーを持つトップレベルドメインで、
.mobi / .travel / .dev / .app
などがあります。スポンサーによって登録ポリシー等が決められています。こちらはgTLDの中でスポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)に分類されます。ちなみに.dev / .app
のスポンサーはGoogleです。 - uTLDやsTLDにどのように分類されるのか知りませんが、条件付き無制限のgTLDというものもあり、日本では
.tokyo / .kyoto
などが取得されています。
- 有名どころでは1984年に決定された
- 国別コードトップレベルドメイン (ccTLD): 国や地域ごとに割り当てられたトップレベルドメインです。
.jp / .io / .mu
などがあります。
国別コードトップレベルドメイン (ccTLD)を避ける理由
誤解してほしくないのは国別コードトップレベルドメイン (ccTLD)を使ってはいけないわけではないです。
しかし、意味もなく他国のccTLDを使うメリットは無いと個人的に考えます。
まず、ccTLDを使うメリットは何でしょう。信頼性が高く、その地域での検索結果に表示されやすくなるといわれています。また、日本向けのサイトでも他国のccTLDを使ってるサイトがあるのを見るに、一見意味のない短い文字列であるというメリットを感じてるのではないかと想像します。
次にデメリットですが、.mu
や.io
を使ったときに日本は対象地域ではないのでわざわざccTLDのメリットをつぶしていることになります。むしろデメリットになりそうです。
また、管理している国に依存することもデメリットに感じます。
例えば、.tcドメインは2012年に大きな値上げを行ったことで話題になりました。
.ioドメインは2017年にネームサーバー側の問題が発生し、さらに問い合わせ可能な時間も短いという意見が出ていました
もちろんここで書いたデメリットは必ずしもccTLDだけに当てはまることではありませんが、検討には値します。
参考になる話題としてはnoteは2019年に.muから.comドメインに移行しています
例外として、日本国内サービスが.jpドメインを使用することは初めに書いた恩恵を受けられ、十分に良い選択肢であると考えます。
日本国内に住所をもつ個人、団体、組織しか登録できないにも関わらず、.jpは10番目に人気のトップレベルドメインとなってます。
ジェネリックトップレベルドメイン (gTLD)の中でも.com / .netを勧める理由
では.com / .net / .orgなどのジェネリックトップレベルドメイン (gTLD)であればどれを選んでもいいのでしょうか。少なくとも私はそう思いません。
理由としてはトップレベルドメインはそれぞれ異なる組織が管理・運営しているからです。
以下に一部のトップレベルドメイン管理者を表にまとめます(参考)。
トップレベルドメイン名 | 管理者または運営者 |
---|---|
.com | ベリサイン(Verisign, Inc.) |
.net | ベリサイン(Verisign, Inc.) |
.org | Public Interest Registry |
.biz | Neulevel (NeuStar Inc.の90%子会社) |
.blog | Automattic(WordPress.comの運営元) |
.wiki | Top Level Design |
.dev | |
.app |
ここでは有名な管理者のドメインを多く記載しましたが、そういった管理者ばかりではなく、知らない組織も多いです。
トップレベルドメインを選ぶ際は、その管理者が信用できるかを考慮すべきです。
私が.comと.netをお勧めする理由は、それらを使ったWebサイトがインターネット全体の約半分に達するからです。
価格も安いですし、シェアが高いということ自体が安心感につながります。
.comと.netを使うことにももちろん懸念点があります。
2020年に.comドメインの登録手数料を値上げ可能にする合意がICANNとベリサインで行われたことが話題になりました。
商用サービスで使うことはあまりないですが.orgにも話題はあります。2019年に.orgドメインの管理団体であるPublic Interest Registryごと投資会社へ売却されそうになりました。最終的にICANNによって却下されましたが、.orgドメイン登録価格の上限撤廃されていたこともありユーザーは法外な請求の可能性を危惧していました。
ここで紹介した以外のgTLDについても同じようなリスクがあることは知っておくべきでしょう。
とはいっても、法外な価格改定はそうそうないです。マイナーなgTLDを選ぶことは大きなリスクとは言えません。新しいgTLDも.comなどと同じように処理することをGoogleが発言しているのでSEO的にも影響がないと考えられます。
どのトップレベルドメインを選ぶにしても、最終的には管理者(運営者)を信用できるかという判断に賭けることになります。
個人的には.devや.app、.blogもいいのではないかと思います。
.comや.netを取得するために
.comや.netが常に取得できれば苦労しないです。
特に短い文字列で取得する難易度は高いです。
そういった場合にマイナーなトップレベルドメインを選んでしまう気持ちもわかります。
僕自身も取得できなかった結果としてnoh.inkを取得していますので。
しかし、最近思うのはユーザーはドメイン名なんて見てないので多少冗長にしてもいいのではないか?ということです。
私の場合、noh.inkよりnoh-dev.com, noh-net.com, noh-web.netみたいにする選択肢もあったなと。ちょっと見た目悪いですが、noh.inkも見た目がいいとは言えないなと思う最近です。
日本語ドメインを選ぶ理由はない
日本語ドメインについて検索するとデメリットが多く書かれているので改めてここで書くことは正直無いです。
メリットとして「覚えやすい」「視認性が高い」とよく書かれてますが、覚えてるサイトありますか?僕は1つとして覚えてるサイトなんてありません。
取得料金ではなく更新料金を確認する
ドメインを取得するときに取得料金は割とどうでもよくて、更新料金の方が大事です。
特に日本のドメイン取得サービスは取得費用を安くして更新費用が高いイメージがあります。
基本的にサイト運営は複数年行うので、初年度だけ安いことに何の意味もないです。
2年目に移管する手もありますが、更新日なんて気づいたら過ぎてますし、気づいても面倒でやりません。
ある程度知識があるのであればCloudflare Registrarが最高のドメイン取得サービスだと思ってます。日本語サポートが欲しいならおとなしく日本企業が運営してるとこにしましょう。
おまけ知識
トップレベルドメインの公式のリストはInternet Assigned Numbers Authority(IANA)によって管理されており、IANAは2000年にICANNの機能となっています。Public Technical Identifiers (PTI)はICANNの子会社です。
トップレベルドメイン(TLDs)はドメインにおいて.com, .net, .jp, .co.jp, .ioなどの部分です。
トップレベルドメイン一覧は文字通りトップレベルドメインの一覧のことです。